「解読」などと大それた言い方は敢えてしません、大事なのはここからですので。今秋も話題のサンマ Cololabis saira について、まずはゲノム全体を読み取って分子レベルの様々な研究が色々な方面からスムーズに始められるように、ということで、DNA配列情報を取得しました。動物組織提供はアクアマリンふくしまの山内信弥さんおよびサンマチームの皆さんに、Hi-Cデータ取得は理研BDR分子配列比較解析チーム(当時)の門田満隆さん・辰見香織さんに、組織観察による使用個体の性別判断は北里大・助教の福田和也さんに、そして、核酸抽出は伊藤初音さんに、データ解析の一部は佐藤茉菜さんに協力いただき、実現しました。着手したのは、2022年5月でした。
配列取得に依存しないゲノムサイズ測定は、sQuantGenomeプロトコルに基づき実施しました。Hi-Cライブラリ作成は、汎用性が高く安価なデータ取得を目指して当ラボの前身のチームで理研BDR時代に最適化したiconHi-Cプロトコルに基づいています。高精度ロングリードとしては、日本でトミーデジタルバイオロジー社が扱うPacific Biosciences(PacBio)社シークエンサによるHiFiデータを、Hi-CおよびRNA-seqの読み取りにはイルミナ(Illumina)社のショートリードデータを、それぞれ利用しました。HiFiデータの取得はかずさDNA研究所で、そして、ショートリードデータ取得はノボジーン(Novogene)社でそれぞれ受託いただきました。
アクアマリンふくしまのサンマ展示については、ウェブ上で検索すると情報がたくさん出てきます。また、この話題については以前にもこのブログで紹介していました。
↓アクアマリンふくしまでの自前写真です



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